『小松左京セレクション2.未来
東浩紀さんは、小松左京は1960年代から70年代へかけて「輝かしい未来のため」という世俗の期待に応える未来思考だけでなく、世俗のスケールを遙かに超えた脱人間中心主義的な「未来の思想」も考察していた。思想家小松左京にとって「未来」は生涯の大きなテーマであったが、その原点には敗戦時の「廃墟」があるという。生身の人間に対する深い慈しみの情と、非情な未来。しかし、それでもあきらめない強靱さ。その秘密にせまれるか。



 河出書房新社 文庫版
 ISBN978-4-309-41137-8  950円(税別)

目次

序文  東 浩紀

1 廃墟から未来へ
  「廃墟の未来文明」
  「未来の思想」終章 「進化の未来像」

2 科学技術と文明
  「復活の日」第4章 夏 5 8月第二週
  「極冠作戦」
  「神への長い道」
  「人類裁判」
  「静寂の通路」

3 万博をめぐって
  「空中都市008」抄
  「月のしのぶ」
  「ニッポン・七〇年代前夜」抄

4 彼方へ
  「虚無回廊」序章 死を越える旅 1“彼”