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 平成17年(2005)しもつき(11がつ)30日

 昼間、田中光二が来て一緒にウナギを食べる。
 午後は、松本零士との対談。零さんの最初の単行本「宇宙作戦第一号」が復刻されるので、その解説として載せるそうだ。来年、1月8日から大手町の逓信博物館で、零さんのコレクションから引っぱり出してきて、鳥獣戯画から黄金バットまでの日本の漫画の歴史を展示するのだそうだ。そこに、私のモリ・ミノル漫画の原画も展示するとか。そんなこともあって、零さんの昔の漫画も復刻されることになったらしい。この時から、やはり美しい女性「メイテル」のキャラクターがいるのがおかしいかった。
 夜は、銀座のピアノ・バーにいって、久しぶりに歌って楽しかった。

 平成17年(2005)霜月(11月)29日

 次世代出版を考えるシンポジウムをのぞく。いままでの流通の問題をクリアにする方式を、いままで出版に携わってこなかったメーカーが開発しているのが、おもしろい。私の全集も、この方式で出版してもらえそうだ。
 そのあと、映画「日本沈没」のスタッフとキャストの打上が赤坂のミカドビルであるというので、出かける。赤坂など本当に久しぶりだ。すっかり様子が変わって、わからない。地下一階から2階までの吹き抜けのいわゆる「クラブ」というのだろうか。スタッフ達の記録ビデオが上映され、若者達が200人くらい居たのではないか。草なぎ君が来るのは10時頃になるというので、先に帰ってきた。

 平成17年しもつき(11月)19日(土)
 
 2008年のSF大会を大阪でやるということで、その実行委員会の人間が事務所まで来て私に顧問になってほしいとのこと。柄の大きい人間が4人も来ると、事務所が急に狭くなったようなきがする。どんぶりを一緒に食いながら、会場はどこがいいか、テーマや内容はどんな風にしたらいいのか、いろいろと意見を言い合った。

 平成17年霜月(11月)18日(金)

 朝早くに、城西国際大学のメディア学部長が来て、私の全集の出版について、新しい出版方式で出してくれるとのこと。コニカミノルタのプリンターやパナソニックのe-bookなど、はじめからマルチ・メディアで対応し、しかも、文字出版文化を継承する形で、次世代出版の人材を育てていく、という大学の方針を聞き、大変面白いと思った。来年が楽しみだ。
 午後から、朝日新聞文化部の「風韻」掲載のためのインタビュー取材を受ける。12月3日に掲載とのこと。
夜は、いつものように、カプリバーで3金会。珍しく、久保ちゃんとさくらちゃんが事務所まで来てくれた。


 平成17年しもつき(11月)17日(木)

 『Quick Japan』(太田出版)62号で、ラジオ特集をやるというので、「ラジオと私」のインタビューを受ける。雑誌を見てみれば、若者向けのポップカルチャー雑誌で、どうして、と思ったが、ラジオ文化を見直したいということらしい。多いに結構。小学校からJOBKで子供放送局のキャスターをしていた話をする。
 夜は、新宿歌舞伎町のトーク・ライブスポット、ロフト・プラスワンで、宇宙作家クラブの人間とライブ・トーク。何の話をしてよいやらわからなかったが、私としては「宇宙と文学」の話をしたつもりなのだ。しかし、例によって、あっちこっちに寄り道して、結局どうなったのやら、わけがわからん。しかし、楽しかった。7時半から10時近くまで居たが、煙草を吸いながら話せるので、苦にはならなかった。


 平成17年霜月(11月)11日(金)

 フロンティア3000研究会で、西はりま天文台長の黒田さんに話してもらう。
 モバイル・プロジェクターを使って、わかりやすく、面白く話す黒田さんは、日本天文学会の副理事長にもなり、大忙し。その合間を縫って、佐用町から駆けつけてくれた。
西はりま天文台の新しい望遠鏡、なゆた望遠鏡が撮影した美しい天体写真を見せながら、ハイビジョンカメラで撮影するとこう、赤外線カメラで撮影するとこう、と比較しながら説明してくれ、その性能のすばらしさと宇宙に散らばる星々の様子、その仕組みなどについて話してくれた。
 また、2009年の皆既日食をトカラ列島に行って船上から観測しよう、というプロジェクトの説明もあり、みんなで行こう! ともり上がった。
ちょうどフランスから、京都の総合地球環境学研究所に研究員として来ていたジャーヌ・コビーも来て、久しぶりの対面となった。