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  平成15年(2003)はづき(8月)30日

 昨日、「小松左京賞」の最終選考会で、上田早夕里さんの「火星ダーク・バラード」を受賞作に決めた。
久しぶりに読み終わったあと感動し、もう一度読み直したい、と思う作品だった。38歳、主婦だという。これだけのデータをきちんと調べて、説得力を持って描き、キャラクターも魅力的に描けている。その辺の秘密を、今度受賞者インタビューで聞いてみたい。火星大接近の年に、火星をテーマにした小説を受賞作にできたのも、何かの縁を感じる。火星のダーク・バラードを聴いてみたい。誰か作曲してくれないか?

  平成15年(2003)はづき(8月)12日

 第4回「小松左京賞」の最終選考に残った原稿を、読んでいる。春樹事務所から宅急便で届いた原稿の束を見たときには、また鬱病になりそうになったが、読みはじめてみれば、おもしろくて、結構読んでしまう。今月末には、結論を出すことになる。


  平成15年(2003)葉月(8月)9日

 ようやく梅雨が明けて、夏になったと思ったら、台風10号がやって来て、九州の水俣はまた水の被害。出水という地名とか、水の被害にあうところは昔から決まって居るんだね。宮城の地震に続いて、災害が多い。「地震・雷・火事・おやじ」とはよくいったものだ。最近の親父が、あまり怖くなくなってしまったところは問題だが・・・。
 東京で森下一仁に星さんの思い出を聞かれ、活字にできないことをたくさんしゃべったが、面白いギャグは、場面と死にそうに面白かったことは覚えていても、肝心のギャグそのものを覚えていない、ということで、なんにもならない。「牛の首」の星版だ。星さんの天才ぶりは、そのようにしてしか伝えるすべがないものだろうか。
 東京から大阪に帰った8日は、台風が襲来していたが、幸い乗り物から降りたときには雨が降っていなかったので助かった。今月の2金会は難波の「ワッハ上方」に上方舞と語りを聞きに行き、私はテレビ大阪の人と抜け出して、「錦」で一杯飲みながら民間放送で最初に放送されたCMソングについて調べてほしいと頼んだ。終わったあとは、幸い雨も上がり、近くのビアホール「ミュンヘン南大使館」で納涼会。石毛さんの息子さんや共同通信の人やらと、賑やかに過ごしてご機嫌で帰還。